メモ   リヴァイアサンとビヒモス


現在に至るまで、神話的、神学的、カバラ的解釈が繰り返されてきた旧約聖書中の怪獣。
リヴァイアサンは中世には「悪魔の象徴」と解釈される。
17世紀、イギリスの哲学者、政治思想家ホッブス(1588-1679)は、著書『リヴァイアサン』(51年)で、統一的国家権力の象徴としている。
内乱史である著書『ビヒモス』(79年)はビヒモスを国家に対する革命の象徴として用いた。
カバラでは、神は毎日幾時間か、リヴァイアサンと遊んでいたが、千年王国開幕と同時に、屠殺して王国の至福の住人たちの食卓に供すると言う。
Behemoth and Leviathan
Behemoth and Leviathan,
by William Blake
(who died in 1827)
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予言と解釈  予言と解釈

旧約聖書ヨブ記
第四〇章
……
河馬を見よ、
これはあなたと同様にわたしが造ったもので、
牛のように草を食う。
見よ、その力は腰にあり、
その勢いは腹の筋にある。
これはその尾を香柏のように動かし、
そのももの筋は互いにからみ合う。
その骨は青銅の管のようで、
その肋骨は鉄の棒のようだ。
これは神のわざの第一のものであって、
これを造った者がこれにつるぎを授けた。
山もこれがために食物をいだし、
もろもろの野の獣もそこに遊ぶ。
これは酸棗の木の下に伏し、
葦の茂み、または沼に隠れている。
酸棗の木はその陰でこれをおおい、
川の柳はこれをめぐり囲む。
見よ、たとい川が荒れても、これは驚かない。
ヨルダンがその口に注ぎかかってもこれはあわてない。
だれが、かぎでこれを捕えることができるか。
だれが、わなでその鼻を貫くことができるか。
第四一章
あなたはつり針でわにをつり出すことができるか。
糸でその舌を押えることができるか。
……
その心臓は石のように堅く、
うすの下石のように堅い。
その身を起こすときは勇士も恐れ、
その衝撃によってあわて惑う。
そのつるぎがこれを撃っても、きかない。
やりも、矢も、もりも用をなさない。
これは鉄を見ること、わらのように、
青銅を見ること、朽ち木のようである。
弓矢もこれを逃がすことができない。
石投げの石もこれには、わらくずとなる。
こん棒もわらくずのようにみなされ、
投げやりの響きを、これはあざ笑う。
その下腹は鋭いかわらのかけらのようで、
麦こき板のようにその身を泥の上に伸ばす。
これは淵をかなえのように沸きかえらせ、
海を香油のなべのようにする。
これは自分のあとに光る道を残し、
淵をしらがのように思わせる。
地の上にはこれと並ぶものなく、これは恐れのない者に造られた。
これはすべての高き者をさげすみ、
すべての誇り高ぶる者の王である」。

聖書の神は自分の倒す敵の強さを誇らしげに語る。
神の相手となるにふさわしい敵とは何か。
それは20世紀になって現れた超大国、アメリカとソ連である。
アメリカは海軍国であり、ソ連は陸軍国であった。
海獣リヴァイアサンにはアメリカが、陸獣ビヒモスにはソ連が最もふさわしい。
ソビエト連邦の解体は済んでいる。
アメリカは神の怒りに触れないようにすべきだ。



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